超☆社会的サンダル『可愛いユナちゃん』からみる「私達」の醜い関係性
2023年11月22日(水)、超☆社会的サンダル『可愛いユナちゃん』が各種サブスクにて配信が開始された。この日はVo.オニザワマシロの誕生日で、筆者にとっても念願の日だった。
『可愛いユナちゃん』の存在を知ったのは、今年9年ぶりに開催された「マイナビ 閃光ライオット2023」3次ライブ映像での一幕。初めて出会ったユナちゃんは、一瞬にして私の心を奪っていった。
筆者はそれから、頻繁にYou Tubeへユナちゃんに会いに行った。楽曲開始1秒のユニゾンとブレイクの繰り返しを聴くと、「またユナちゃんに会えるんだ」という高揚感に包まれる。
バンド公式からのサブスク配信開始のお知らせを見たとき、今よりも気軽に手軽にユナちゃんに会えることに心が小躍りしたのが分かった。
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『可愛いユナちゃん』を見る「私」の心情
ユナちゃんに憧れた「私」の目線で歌われる本曲は、ハスキーさと少女感を兼ね備えたオニザワの歌声がより世界観に説得力を持たせている。
小学3年生のユナちゃんは可愛くって、運動神経バツグン。頭も良い。きっと「私」から見れば、ユナちゃんは「完璧」でお姫様みたいな憧れの存在だった。
そんな「私」が久々にユナちゃんを街で見かけた事で、物語は進んでいく。
<街で出会った やっぱり可愛い何でかな>単なる「元クラスメイト」以上の感情で、小学校を卒業した今でもユナちゃんに憧れている「私」。
<街で出会って 髪の毛金髪何でかな?>ねっとりとしたトーンの「何でかな?」に「私」がユナちゃんに憧れ意外の感情を持ち合わせていることが滲み出る。
<アタシは変わらず黒髪メガネ (お土産)お揃いストラップ>小学校卒業から数年経ち、中高生をしている「私」は校則を守って黒髪で垢抜けない学生生活を過ごしている。
<街で出会った タバコを吸ってた何でなの>ユナちゃんは、ガラの悪そうな友達と未成年なのにタバコを吸ってるし、多分学校にもロクに行ってなくて、きっと彼氏もクズ男。そう瞬間的に察知し垢抜けた私は、「落ちぶれた」ユナちゃんに安堵したんじゃないだろうか。それを「何でなの」だけで纏めてしまう「私」の残酷さ。
<小学3年生私はずっとこのままずっと>「私」は小学三年生のままだと嘆いているが、その残酷さを持ち合わせているあたりに無自覚に少女から「女」へ移り変わる様子が見て取れる。
※歌詞は、MUSIC GOLD RUSH∞ High-fiveオーディション映像の字幕を参考にしています。(作詞:オニザワマシロ)
表現の仕方で更に引き立つ『可愛いユナちゃん』
「ユナちゃん」の可愛さや魅力を伝えるために、表現面で筆者が特に面白いと感じた部分を紹介していきたい。
リズム隊の野太い合いの手
本楽曲では、リズム隊の男性陣による「野太い合いの手」も特徴的だ。(ここではあえてコーラスではなく合いの手と言わせていただく。)
サビでの<ユナちゃん可愛い(可愛いユナちゃん)>の()の部分を叫ぶように合いの手する様子は、地下アイドル等の現場で見るオタクの掛け声やヲタ芸を彷彿とさせる。
男性数人による大声での合いの手は、「男性から見てもとっても『可愛いユナちゃん』だということ」「ユナちゃんの神聖さ」を我々に認識させ、楽曲により厚みを持たせる役割は果たしている。
ミュージックビデオ
ミュージックビデオも、本曲を語る上で欠かせない要素の1つだ。
出てくる少女※は、真っ白なワンピースに姫カット、まるで「お姫様」を現実世界に降臨させたような出で立ちで、「特別な女の子」だということを終始私達に示してくれている。
※曲とは異なりMVの少女は黒髪のため、ユナちゃんをイメージした存在だと推測。
そんな少女とオニザワ(Vo)2人でのシーンは、少女1人でのシーンとは一転、「私」と「ユナちゃん」の歪な関係性をリアルに表しており、常におどろおどろしさを感じる。
曲の終盤には、オニザワが着ていた服を、立ち位置を、少女が侵食していく。その様子は、まるで2人が1つの存在に融合していくようで、見ているこちら側も焦燥感を掻き立てられる。
もしかすると、ユナちゃんと「私」は『醜い』という意味で、表裏一体の存在だったのかもしれない。
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