閃光ライオットファイナリストの三四少女を紹介した記事のアイキャッチ画像

三四少女が好きすぎて、ユートピアから出られない。【閃光ライオット・ファイナリストバンド】

「三四少女と、恋しましょう」

私は2023年夏、三四少女に恋をしてしまった。

大阪に拠点を置く男女4ピースバンド『三四少女(読み:サンスーガール)』は、今年9年ぶりに行われた「マイナビ 閃光ライオット2023」で見事ファイナリストに選ばれ、満員のZepp DiverCity (TOKYO)を熱狂させた。

それから4ヶ月後の2023年12月1日自身にとって初めてのミュージックビデオ『ユートピア』をYou Tube上で公開。川田羽撫子(Vo/Gt)の「どうしても自分のバンドのはじめてのMVを撮ってほしかった」という要望により、女性アイドルや様々なバンドのMV制作で知られる加藤マニ氏が本作のディレクターを務めている。

本記事では『ユートピア』の楽曲レビューを中心に、三四少女の魅力を深掘りしていく。

貴方も三四少女に恋して、私と恋敵になってほしい。

三四少女「ユートピア」

MV監督は川田(Vo/Gt)が長年ファンだという加藤マニが担当した。

三四少女の特徴である、楽曲のキャッチーさ・目が離せなくなる奇抜さ・メンバーが好む様々な文化を融合したカルチャー感をふんだんに詰め込んだMVとなっていて、バンドの名刺代わりの作品となっている。

AIとの疑似恋愛をテーマにしたという本曲は、イントロから近未来的で浮遊感のあるメロディとなっており、曲名に相応しく聴いた者を一気に非現実な世界へと誘う。

<隠しコマンドできみとキスをして 飛んできた宇宙船に乗ったら 大失敗!惑星の引力 そのまま落ちてくユートピア>

疑似恋愛を歌い、歌詞も空想的な本曲だが、妙な力強さがあるのは何故だろう。

これは川田(Vo/Gt)の芯がありよく通る歌声、ーまさに「硬質」という言葉が当てはまる声質が、幻想世界で我々を先導してくれるからだ。バンド名に「少女」とついているが、どこか少年さも感じるこのボーカルによって、『三四少女』の存在をより確固たるものにしている。

また、さっちゅー(Ba.)のベースも常時本曲を支えておりリズミカルなフレーズは舞うかのようで、まるでユートピアにいるような浮遊感を味わう事ができる。

一方で『ユートピア』という曲名には似合わず、所々胸が痛むフレーズも魅力の1つだ。

<愛とか云うのが分かるほど 足りないわたしを抱きしめて><宇宙の影から地獄の果てまで全部一緒にみにいこう きみが忘れちゃわないように>

AIとの恋愛をしている自分に対する卑屈さからなのだろうか?いや、それだけで表現するには事足りない。この歌詞にはAIと恋愛するまでに至った経緯や、過去の恋愛・自己肯定感の形成などを含めた、もっと切実な想いを感じ取ることができる。

ただ、筆者は思う。皆々が両思いのキラキラ恋愛をしているワケではないし、キラキラ生きているわけでもない。相手がAIだってなんだって<『代わりの要らない』恋をしよう>という気概がきっと何よりも大事なのだ。

三四少女「シュガースーサイド」

筆者が初めて「三四少女」を目撃した動画で、閃光ライオット3次ライブのもの。

川田の「今日の主役を取りに来ました!三四少女です!よろしく!」の宣言を合図に、たみ(Gt.)の電子信号を彷彿とさせる歪んだギターから始まる本曲は、鋭さを持ってリスナーを捕える。

小説のような文学的で淡々とした歌詞・歌唱とは異なり、本気で主役になろうとしているからだろう、メンバーの全力な演奏は猟奇さを感じる。その様子は曲名通り、どこか「死」をも連想させる。

音源よりも疾走感のあるあんどりゅー(Dr.)の爆発するようなドラムが、よりステージの焦燥感を駆り立てる。平均年齢20.5歳※のバンドではあるが、力強さの中に感じる不安定な「弱さ」が感じられる楽曲と、生き急いでいるかのようなステージは、まるで「青春」という言葉を具現化したようだ。

※年齢は、2023年8月7日(月)に行われた「マイナビ 閃光ライオット2023」ファイナルステージ時点でのもの。

また、彼らが参加した3次ライブの会場は、煌びやかな内装やステージのカラフルなネオン管が特徴的な元キャバレー・味園ユニバース。この、きらびやかな会場に負けず劣らず「存在感を発揮できるか」が求められる選考だったと推測するが、そんな中でも三四少女のメンバーは存在感を放ち、会場の華美さを巻き込み自分達のものとし、閃光の名にふさわしいステージだった。

>>閃光ライオット決勝ライブでの映像はこちらをクリック

三四少女・自主企画ライブ『桃源郷』

三四少女は来る2023年12月22日(金)に、自主企画ライブ『桃源郷』を開催する。会場は大阪・天王寺区にある寺田町Fireloopだ。

また対バン相手には、三四少女と同じく閃光ライオット2023ファイナリスト「極樂万博」・サーキットフェスでは軒並み入場規制がかかる「レトロマイガール!!」・新曲『夢の中』をリリースしたばかりの大注目バンド「板歯目」という豪華な顔ぶれになっている。

今年グンと知名度を上げ、バンド初のMVを公開した彼女らの2023年の総括と言えるライブを、是非貴方も刮目して欲しい。

目を逸したくなるほどの閃光に照らされ、『三四少女』は今日も輝いている。

三四少女SNS▽(クリックすると飛びます)

▽メンバーSNS▽

関連記事一覧