#雨の日こそ聴きたい曲|NCIS、envy
先日公開した「playlist:#雨の日こそ聴きたい曲」。
ymyさんの雨の日の過ごし方や思い出が曲とともに語られていて、着眼点も含めて面白い内容だった。
2023.05.24
playlist:#雨の日こそ聴きたい曲
もう少しで6月、梅雨がやってくる。毎年この季節になると、どんよりとした空模様、まとまらない髪の毛、溜まってしまう洗濯物などなんとなく気分が上がらない日が多くなってしまう。雨も悪いことばかりではなく、例えば雨粒が大気中の汚染物質の粒子を引き付け空気を浄化したり、自然や農作物に潤いを与えたり必要なもの...
せっかくなので私も同じテーマで書いてみようと思い立った。が、そもそも雨の日にあわせて聴く曲を変えるなんていう趣のあることはしてなかった…。
ymyさんのように濃い文章は書けなさそうだが、梅雨の今、聴きたくなる曲を紹介する。
Nothing’s Carved In Stone “Chain reaction”
雨の日に、雨上がりを想像して聴きたい曲としてNothing’s Carved In Stoneの”Chain reaction”(作詞:生形真一)を挙げる。
曲はもちろんMusic Videoの映像が美しく、初めて聴いた時から何年経った今でも明るく未来に希望を見出したい時に聴きたくなる曲だ。
雨の日はどうしたって憂鬱になる。分厚い雲が空を覆って思考はどんどんネガティブになり、不安や不満、そういった感情が心を侵食してくる。
サビで歌われている印象的なフレーズ、〈あの日見ていた青写真のままで いられるなら踊り続けてるのに〉は、そんな雨の日の感情に似ている。
柔らかな音と美しいメロディに乗せられる村松拓の力強い声。その調和に聴き入ってしまうが、2:18~の小刻みなリズムとギターによってもどかしい自分の気持ちは少しずつ解かれていく。
Music Videoの、雨水が溜まった決してきれいとは言えない水たまりの中で楽しく踊る女性のように、目の前の現実を忘れてあの頃の希望に満ちていた自分で振舞ってもいいのではないだろうか。
憂鬱な雨の日に少し前を向かせてくれる、美しい曲。
envy『THE FALLEN CRIMSON』
雨の日に聴きたい「アルバム」として、envyの『THE FALLEN CRIMSON』を挙げる。
envyは、世界中に多くのファンがいる日本のポストハードコアバンド。『THE FALLEN CRIMSON』は2020年にリリースしたアルバムだ。
「ハードコア」といっても荒々しさが全面に出ているわけではない。
自分自身に語りかけるような歌、優しいメロディライン。街の喧騒が聞こえない静かな雨の日に聴いて、自分の世界に浸りたくなるような曲ばかりだ。
そして、その静けさや安らぎの中にある激しさ、叫び、歪んだギターのノイズ…。これらが自分の生命力とも思えるようなところを刺激してきて、聴き終わった後はとても心が洗われたような気分になる。
一見相反するもののように思える要素がこのアルバムの中では同居していて、だからこそ美しさや面白さをより強く感じる。それは、この世界や、生きている私たちの矛盾や多面性を表しているかのよう。
私のお気に入りは、どことなく切なさを思い起こさせるM2″Swaying leaves and scattering breath”。
自己の世界に閉じこもりがちな雨の日に、ぜひとも聴いてほしい一枚だ。
以上が、私なりの「雨の日に聴きたい曲(アルバム)」である。
雨の日、特に梅雨の今の時期は、ジメジメして蒸し暑くて本当に憂鬱な気分になってしまう。
けれど、グッドミュージックがあればそんな憂鬱は吹き飛んで心は軽くなる。
やっぱり音楽って最高だなぁ。と実感できるのが、梅雨の良さなのかもしれない。