GOLD IMPRINTS

NOISEMAKER『GOLD IMPRINTS』レビュー|強く輝きを放ち刻みこまれる曲たち

2023年8月、NOISEMAKERのZepp DiverCityでのライブが終わった瞬間、私は足早に物販スペースに向かっていた。
その日聴いた“NO WONDER”が素晴らしく、絶対に『GOLD IMPRINTS』を購入しなければいけないと思ったのだ。

『GOLD IMPRINTS』=『金の刻印』というタイトルの通り、収録曲のどれもが強い輝きを放って心に深く刻み込まれる。そう感じさせる一枚だ。

NOISEMAKER『GOLD IMPRINTS』レビュー

私が心打たれた“NO WONDER”は、『GOLD IMPRINTS』の一番最後、5曲目に収録されている。この曲の魅力は、何と言っても曲から得られる圧倒的な幸福感だ。ゴスペルのコーラスが目の前を照らすような明るさを感じさせてくれ、繰り返される〈There’s no wonder(何も不思議なことじゃない)〉1という歌詞が、「何も上手くいかない」と日々思う私の背中を撫でるように穏やかな気持ちにさせてくれる。

もちろん『GOLD IMPRINTS』の魅力は“NO WONDER”だけではない。
“LAST FOREVER”は、聴けば体を動かしたくなるド正面のダンスナンバー。どこかノスタルジックを感じさせるシンセサイザーがクセになり、終始シンセベースが鳴っていていい意味でロックバンドっぽくない。生感がなくてもバンドとしての色が出るのは、Vo.AGの声がデジタルな世界観とも相性がいいからだと感じる。

“Pushing My Back”は、ロック、ヒップホップ、EDMがごちゃ混ぜになったような曲で、日本語と英語をミックスして繰り広げられるラップに転調にと、まさにNOISEMAKERの真骨頂を見せている。オーディエンスを一斉にバウンスさせるような曲ではないが、グルーヴが気持ちよく、音に身を委ねたくなる曲だ。

『GOLD IMRINTS』に収録されている曲では、一貫して「自分を信じて前に進め」ということが歌われている。悔しさや不安があっても乗り越えて前に進むのだと。
しかし、いつでも志を高く維持できる人間ばかりではない。生きていればどうしようもない不安が襲ってくることがあるし自分を信じられない夜もある。
だからこそ、最後の曲“NO WONDER”で歌われる、「向かうべきところにたどり着く。そしてそれは何も不思議なことじゃない(今があるから)」というメッセージが強く心を打つ。進むことの大切さを序盤の曲で歌い、最後にその人の生を肯定する曲がある。だからこのEPを通して聴くととても腹落ち感があり、満足感を得ることができる。

そしてこの『GOLD IMRINTS』は、NOISEMAKERというバンド自身の在り方でもあるのだと思う。
今年はバンド結成20周年となる年。4月には主催イベント『KITAKAZE ROCK FES』の開催も発表されている。もちろん記念すべき周年で、それだけではない未発表のものもあるだろう。
進み続け、向かうべきところにたどり着く姿を見せてくれるであろうNOISEMAKER。これからも彼らから目を離さないでいたい。

★2024年4月14日 Zepp Sapporoにて開催
『KITAKAZE ROCK FES』オフィシャルサイト

1NOISEMAKER “NO WONDER”(作詞:AG)より歌詞を引用。

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