UVERworld映画

UVERworld「男祭り」の映画を観ての感想

『UVERworld KING’S PARADE 男祭り REBORN at Nissan Stadium』が、2024年2月9日から全国の映画館で上映されている。
本作品は、昨年の7月30日に日産スタジアムで開催された男性限定ライブ、「男祭り」の様子をノーカットで収めたものだ。

本稿ではその映画の感想を記す。

UVERworld「男祭り」の映画を観て

私は少しでもいい音で映画を楽しみたいと思い、ドルビーアトモスで鑑賞。
始まった途端観客の大きな声援に囲まれ、その時点でドルビーアトモスを選んで正解だと思った。実際のライブ会場にいるかのような没入感を味わうことができ、終始迫力のある音を体感する2時間半はまさに至高の時間だった。映画館を出た後に感じる軽い疲労感も、実際にライブに行った帰り道のようだった。

映像も面白く、ドローンカメラがメンバーの目の前まで迫ったり周囲をぐるっと回ったりと、屋内のライブでは撮れないような魅力的な映像ばかり。観客のうねりやライトの演出を日産スタジアムの上空から撮影した映像は圧巻で、技術の進歩に伴ってライブ映像の見せ方も大きく変わってきているんだなと思ったりもした。

そして何よりも、鬼気迫るメンバーのパフォーマンスを映画館で観れたことが本当に良かった。これに尽きる。
特にライブ終盤の、“PRAYING RUN”、“Touch off”、“EN”では、メンバーも体力をかなり消耗している中で、身体的・精神的にも限界を突破しているパフォーマンスを見せ、息をのんでスクリーンを見つめることしかできなかった。このまま壊れてしまうのではないか、と思える危うさもあって、だからこそ、本当に命を削るかのような姿勢に心を打たれるのだと感じた。

そのパフォーマンスを巨大なスクリーンとスピーカーで体感することができる。これだけで映画としては高額の3,700円分の価値が十分にあると思った。

…と、ここまで映画の感想を述べてきたが、最後に少し「男祭り」についての自分なりの考えを記そうと思う。
以前も記事を書いたが、私は基本的にはメンバーがやりたいと思っている男祭りについて肯定的だ。

だが、性別を男性に限定することによって、弾かれる人も必ずいる。この現実がある以上、手放しで賞賛できないと思っていることも事実だ。
だから私も少なからずモヤモヤした気持ちを抱えてはいるのだが、今回のライブ映像のMCでTAKUYA∞が語っていたことがとても印象に残った。

TAKUYA∞は男祭りをする意味について、やりたいからやる、とインタビューで答えてきたと言った上でこう語っていた。
「たとえば俺が、『土星に行きたい』って思ったとしても絶対に行けない。やりたいと思ってもできないことがたくさんあるのに、できることをできないって言うのは嫌なんだよ」

このMCを聞いて、「あぁ、そうだよな」と思った自分がいた。
目の前に超えられるかどうか分からない壁があったとして、UVERworldはそれを無視して別の道に進むようなバンドではない。何としても努力をして超えようとするバンドだ。その姿をこれまで見てきているからこそ、そしてそんな彼らだから私はずっとUVERworldの音楽を聴いていることを思い出し、とても腑に落ちたのだ。

覚えておきたいのは、彼らは別に「男性に評価されることを目標にバンドをやっているわけではない」ということ。男性限定ライブで世界のテッペンを取ることを生涯の目標に掲げているわけではない。
だから、モヤモヤを感じた時はこのことを思い出せるように、この場に残しておこうと思う。この視点を得られたことも、今回映画を観に行って良かった点だったと思う。

『UVERworld KING’S PARADE 男祭り REBORN at Nissan Stadium』は、2月22日までの上映だ。2月17日は一日限りの応援上映が実施され、より実際のライブのように楽しむことができるだろう。
公開終了まで残りわずか。少しでも多くの人に、この映像を映画館で観てもらいたいと思う。

★『UVERworld KING’S PARADE 男祭り REBORN at Nissan Stadium』特設サイト

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