平井大@江ノ島東浜海岸 弾き語りライブレポート

何もやる気が起きなくなる時ってないだろうか。

最近の私がそうで、前回ここで記事を書いた後ぐらいから、実は全く書く気が起きなくなっていた。これ燃え尽き症候群ってやつかなあ、なんてしばらく悩んでいたのだけれど、久々に書きたいと思えたのは、この日のライブがきっかけだ。

平井大 弾き語りフリーライブレポート

8月28日、平井大が江ノ島東浜海岸で弾き語りフリーライブを開催した。
明確な時間と場所が告知されたのは開催日の前日。加えてこの日は月曜日で、スタートは午後14時半。
それにもかかわらず、特設ステージ周辺には歩道まで溢れんばかりの観客が集まっていた。

1曲目は「Slow & Easy」。平井はウクレレの柔らかな音色を奏でながら、間奏では観客へシンガロングを促す。演奏の隙間に、リアルな波音が挟まれるのがなんとも心地いい。
8月、晴天、海、砂浜、そして平井大の音楽。こんなシチュエーション、控えめに言って最高ではないか。

アコースティックギターに持ち替えて「A Good Day」を歌い終えた後は、「今日なんか聴きたい曲ある?」とリクエストを募る。
セットリストをカッチリ決めているわけではないのだろう。平井は普段からInstagramやTikTokで頻繁に弾き語りライブを行っていて、その際も視聴者からリクエストを募って曲を披露している。今日のフリーライブはその延長といったところだろうか。

リクエストを受け、「Wonderful Life」「Sweet Home」「Buddy」と次々に楽曲を披露していく。サビだけだったり、「この曲?」と音源を流して確認しながらだったり、SNS上でのライブと同様にゆるやかな雰囲気だ。

周りもまた、たまたま居合わせた人も多かったのかもしれない。
いかにも「今泳いできました」と思える水着姿の人がいたり、犬を連れている人が立ち止まっていたりと、見渡せばさまざまな人がいる。歌声を聴いて駆けつける人もいれば、数曲聴いて海へ戻っていく人もいる。
“浜辺にふらっと歌いに来ちゃいました”な感じの平井大と、“ふらっと聴きに来ちゃいました”な感じのオーディエンス。そんな自由な空間が広がっていた。

ライブでは「MIRROR MIRROR」「祈り花」といった人気曲に加え、8月27日にEP『SURF & TURF(Deluxe Edition)』がリリースされたこともあり、収録された新曲の「HONEY&MOON」「人生ノート」も披露した。「まだ練習中」と笑いながらも演奏してくれる姿勢に、ファン想いな彼の優しさが垣間見える。

「今日はカップルで来ている人も多そうだね」と周りを見渡し、1組の記念日を一緒にお祝いしながら、後半は代表曲「Stand by me, Stand by you.」も披露した。
1時間にわたるライブのラストを飾ったのは「また逢う日まで」。砂浜をそっと撫でていくような優しいウクレレの音色に、切なさのこもった歌声が重なる。感傷的なメロディーもまた、夏の終わりを感じさせた。

今年の夏の思い出にと、この日のライブに訪れた人も多かっただろう。
ゆるやかな雰囲気のライブを見ながら、最近ちょっと生き急いでいたのかもしれないと思った。もっと気楽にいこうと思っていても、気づくと色んなことに忙殺されて忘れてしまう。

明日から9月。夏ももう終わってしまうけれど、また行き詰まったらこの日を思い出して、平井大の音楽を聴こうと思う。“Slow & Easy”──焦ることない、のんびり行こうよ。彼の歌はいつだってそう優しく教えてくれる。

■2023.8.28 平井大 江ノ島弾き語りライブ セットリスト@江ノ島東浜海岸特設ステージ
1. Slow & Easy
2. A Good Day
3. Wonderful Life
4. Sweet Home
5. Buddy
6. MIRROR MIRROR
7. HONEY&MOON
8. tonight
9. 祈り花
10. 人生ノート
11. Stand by me, Stand by you.
12. Anniversary
13. また逢う日まで

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