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FACT“a fact of life”レビュー|日本の音楽シーンを変えた一曲

私の人生において欠くことのできない一曲がある。
それは、FACTの“a fact of life”だ。
私の音楽の好みを変えるきっかけになった一曲である。

FACT“a fact of life”が変えたもの

FACTは1999年に結成された日本のハードコアパンクバンド。
Hiro(Vo.)、Kazuki(Gt.)、Takahiro(Gt.)、Tomohiro(Ba.)、Eiji(Dr.)の5人で2009年にメジャーデビューと海外デビューをはたす。2012年にはAdam(Gt./Vo.)が加入し、トリプルギターの6人体制となる。
2010年代の日本のラウドロックシーンを牽引したが、2015年に解散。その後メンバーは各々音楽活動を行い、Hiro、Kazuki、Takahiroが所属するバンド「SHADOWS」は今もコンスタントに活動を行っている。

私がFACTに出会ったのは2010年、高校一年生の冬だ。
当時、クラスに居心地の悪さを感じていた私は鬱々とした気分で毎日を過ごし、授業が終われば即帰宅してパソコンに向かう日々を送っていた。その日も動画サイトで適当にMusic Videoを漁っていたところ、“スーツ姿に能面”という奇妙なサムネイルが目に入った。興味本位で再生ボタンを押した私は、衝撃を受けた。

1秒目から鬱屈とした気持ちを吹き飛ばす音のインパクト。機械的なボーカルの声と歌い方が新鮮で、かと思えば時にエモーショナルなメロディラインが心を掴んでくる。なんだかギターが叫んでるしドラムは超高速すぎるし、ワケが分からない…音が洪水のように流れてくる。だが不思議なことに、スーツ姿に能面という滑稽な姿で頭を振りながら楽器をプレイする様子がとてもかっこよく思えた。

聴いたことも観たこともなかった音楽に、私の耳と目、そして心は釘付けになった。暗い感情が一気に晴れていくのも感じた。私が求めていた衝撃のようなものが、この曲にあった。
それから私は学校で休み時間に入る度にFACTを聴き、お守りのように自分の心の支えにして高校一年生を乗り切った。

当然FACTに衝撃を受けた私は、同じようにシャウトがある音楽を探して聴くようになる。“a fact of life”が、ある意味私の人生を変えた一曲とも言えるが、変えたのは私の人生だけではない。

FACTのような激しい音楽性のバンドが大型フェスに出演し、メジャーシーンで人気を獲得していった結果、それまでアンダーグラウンドで活動してきたバンドたちにスポットが当たりやすくなり、「ラウドロック(という括り方に様々な意見はあるが)」がライブシーンを賑わすようになっていった。FACTの存在は、日本の音楽・ライブシーンにも大きな影響を与えたと私は思っている。

FACTは2015年に解散してしまったが、当時FACTがシーンに開けた風穴から、たくさんのかっこいいバンドが出てきて今も活動を続けている。
それでも“a fact of life”のように、誰もが歌えてクラウドサーフでフロアがぐちゃぐちゃになるような、爆発力のある一曲を持っているバンドはなかなかいない。

そういった意味でも、この曲は今の時代でも一切色褪せていないし、これから先の未来でも聴き継がれていくべき名曲だと思う。


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