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ライブに耳栓は必要?実際に使っている側の見解を紹介

「ライブで耳栓をつけるべきかどうか」

定期的にSNSで盛り上がるこの話題。
ロックバンドのライブに足を運ぶ人であれば、一度は考えたことがあるのではないか。
ネットで検索すればライブ用の耳栓が売られているし、実際に私も使っている。

今回は、この話題についてライブ好きである私なりの考えを述べようと思う。
が、結論から言うと、「ライブ会場の特徴や音楽のジャンルによって、耳栓をつけるかどうか判断すべき」というのが私の見解だ。

その理由や、実際に耳栓をつけるとどう変わるのか、説明しようと思う。
ライブで耳栓を使うかどうか迷っている人は、少しでも参考にしてもらえたら嬉しい。

※本記事は私個人の経験によるものです。記載してあることが全ての人・事象に当てはまるわけではなく、また、効果を約束するものでもありません。あくまで一つの意見としてご覧ください。

ライブで耳栓を付けるようになった理由

私が耳栓をつけるようになった理由は高校生まで遡る。

今から10年以上前、代々木第一体育館で、とあるロックバンドのライブをアリーナ席の最前列で観る機会があった。最前列といっても一番端っこの席だ。当然ステージの両脇にはスピーカーがあり、ちょうど私の正面の位置に、何メートルもある巨大なスピーカーが設置されていた。
案の定、代々木第一体育館という巨大な会場の後方まで音を届けるために、スピーカーから出てくる音はとてつもなく爆音だった。ライブ中からすでに耳がキンキンする始末だ。
ライブが終わり、翌日になっても耳鳴りは止まず、会話や音が聴こえづらい状態が丸一日続いた

この状態になった時に、初めて恐怖を感じた。「音楽が大好きなのに、ライブに行ったことで音楽が聴けなくなるかもしれない」と。

そこから、ネットでライブ用の耳栓があることを知り、Amazonで購入してライブに持っていくようになった。
大学生になってからは小さいライブハウスに行くことも増え、耳栓はライブに行くときの必需品になった。

ライブ用耳栓

私が日頃使っているライブ用の耳栓。Amazonで3,000円ぐらいで買ったと記憶している。

耳栓をつけることのメリット

耳栓をつけることのメリットは、やはり耳へのダメージを抑えることができ、ライブ後も耳鳴りがしないことだ。

ライブ用の耳栓はライブで使われることを前提として作られているため、適度に耳を守りつつ、しっかりと音が聴こえる仕様になっている。耳栓をつけているから音が聴こえない、ライブが楽しめない、ということはない。

だが、当然迫力は少しなくなる。
専門的なことは分からないが、耳栓をつけると全体の音のボリュームが適度に落ち、耳に負担のかかる高音域と低音域がカットされる…ようなイメージだ。

私の感覚としては、ボーカルが際立ちしっかりとメロディを歌うアーティストのようなライブだと、良さが減ってしまうと感じる。少しこもったような聴こえ方になるため、伸び伸びとした歌唱による開放感が感じにくくなってしまうのだ。そう感じた時は、ライブの途中で耳栓を取るようにしている。

反対に、ハードコアやメタルコアといった、ボーカルがひたすらシャウトし、内臓に響くような重低音を鳴らすアーティストの時は耳栓が大いに役立つ。このようなジャンルはそもそも出音が大きいので、耳栓をするぐらいがちょうどよく思えるし、迫力はそのままでライブを楽しむことができる。

冒頭に「音楽のジャンルによって」と書いたのはこの経験があるからだ。
ちなみに、曲の間のMCや友人同士の会話も、耳栓をしても問題なく聞こえる。

耳栓があれば皆が避けがちなスピーカー前にも安心して行けるし、ライブ後に耳鳴りがすることもない。
激しい音楽ジャンルのアーティストの時は、耳栓を持っておいた方がいいと言えるだろう。

会場の特徴や大きさも、耳栓を使う判断基準の一つ

もう一つ、耳栓を使う判断基準となるのは、ライブ会場の特徴や大きさだ。

ホールやアリーナといった、大きな会場で音響設備がしっかり整えられた会場であれば、耳栓は必要ないと思う。むしろつけない方が没入感を味わえていいだろう。
と言っても、先述の私の代々木第一体育館での経験からも、ステージに近い座席の時は念のため持っていくと安心だと思う。(が、この経験も10年以上前の話。現在は設備や音量も改善されて、耳鳴りが止まないほどのダメージを与えることはないのでは…と思っている。)

一方で、ライブハウスには耳栓を持って行くことをオススメする。特に、小さなライブハウスで人がたくさんいてスピーカーの前から動けない…なんてことになってしまったら最悪だからだ。
また、ライブハウスごとに特徴があるので、事前に調べたり一度行って感覚を掴んだりできると良い。
例えば、新宿ANTIKNOCKは重低音が強くなっているし、新大久保のEARTHDOMではスピーカーがフロアにせり出して音のインパクトが強い、というように、会場の特徴もある程度知っておくと、ライブをより安全に楽しむことができると思う。


以上の経験から、私は「ライブ会場の特徴や音楽のジャンルによって、耳栓をつけるかどうか判断すべき」という結論に至った。

自分自身がよく行く音楽のジャンル・ライブ会場の特徴によっては耳栓を買った方がいいだろうし、必要なさそうであれば買わなくていいと思う。
結局はケースバイケースで、経験を積んで判断していくしかない…といったところではあるのだが。
先ほど少し触れたように、ネットでは3,000円前後でライブ用の耳栓が買えるので、一度買って試してみるといいと思う。

また、時々フロアの前方に子どもを連れてくる人を見かけるが、傍から見ていてとても心配になる。幼少期に耳を悪くしては今後の人生に関わってくるだろうし、大人のように自己責任、で片づけられる話ではない。
最近では子ども向けにライブ用のイヤーマフも売られているので、子どもをライブに連れていく人は、ぜひ検討してほしいと個人的に思っている。

…と、ここまで偉そうに語ってしまったが、長く快適な音楽ライフを楽しむために、耳栓を使うことも一つの選択肢に入れてみてはどうだろうか。

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