20年の軌跡とファンの愛が感じられたNOISEMAKER川崎クラブチッタ公演
一か月が経った今でも、「10月21日のNOISEMAKERのライブは素晴らしかった」と、ふとした時に思い出すことがある。それぐらい、あの日のステージはキラキラと輝いていて、ファンの愛があふれる素敵な空間だった。
少し時間が経ってしまったけれど、あの日のライブの記録を残しておきたい。そう思い、この記事を書くことにした。
NOISEMAKER 20th Anniversary「THE EAGLE TOUR」CLUB CITTA’公演ライブレポート
2024年10月21日、NOISEMAKER 20th Anniversary「THE EAGLE TOUR」の川崎クラブチッタ公演が開催された。タイトルの通り、今回のツアーはバンド結成20周年を記念するものであり、この日のライブもあらゆる場面で20年の重みが感じられた。
まず、何と言っても、メンバーが奏でる音の完成度だ。一朝一夕で得られるものではない、積み上げてきた20年の経験と技術によるグルーヴがそこにはあった。
リズム隊のUTAとYU-KIがライブならではの熱をまといながらも、安定感のある演奏で楽曲を引き締め、HIDEのギターとAGのハイトーンボイスのアレンジが加わって化学反応を起こしていく。NOISEMAKERのライブは自分の体に音が沁み込んでいくような、音と一体になっていくような、そんな感覚になる。彼らの音に身を委ねる時間がなんとも心地よい。
この日、特に印象に残った曲が“MAE”だ。オレンジ一色の照明の中、ゴリゴリのベースがクラブチッタの巨大なスピーカーから響き渡り、そこに各パートが乗っかり、絡み合い、反発しながら曲ができあがっていく様子に、目も耳も心も釘付けになった。曲が進行するにつれ熱気は増し、AGのシャウトとともに突入した間奏では、理性ではなく音のぶつかりあいで曲ができあがっていくのを目の当たりにし、音源の何倍も超える迫力にこの日一番興奮した。
もちろん“MAE”だけでなくどの曲も輝いていたし、何よりステージ上のメンバーが楽しそうに演奏している姿で、観ているこちらも幸せな気持ちになった。この20年、決して順風満帆なことばかりではなかっただろう。それでもこの日AGは、「5年先も10年先もNOISEMAKERを続けていることは確かだ」と言い切り、彼らの音楽にかける情熱は月日を経て減るどころか、より一層強くなっていることが感じられた。
そして、この日もう一つ20年の重みを感じたのは、随所にあふれていたファンの愛だ。ステージの後方に掲げられたフラッグには、各地のファンが書き込んだメッセージが入っており、ファンの声を背負って演奏しているメンバーの姿はこれまで以上にかっこよく見えた。
さらに終演後、メンバーにサプライズでスクリーンに投影されたVTRには、バンドの結成20周年を祝うたくさんのファンの映像が収められていた。NOISEMAKERがきっかけで交流関係や行動、人生が変わった人が多くいる事実に、改めてこのバンドが歩んできた軌跡を感じた。
サプライズ映像を受けた後、アンコールで演奏された“To Live Is”前のMCでAGは、「生きるということ…あなたたちとNOISEMAKERを鳴らすということ!」と強く宣言した。
20周年を迎えた彼らは、すでにこれから先の未来を見据えていて、そしてその未来にはファンも含まれている。
この日のライブは、演奏技術やパフォーマンスの素晴らしさだけでなく、ファンの想いを受け止め、未来を描くNOISEMAKERのかっこよさを存分に感じた一夜だった。
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