MURO FESTIVALステージの写真

The Cheserasera 「MURO FESTIVAL 2023」 ライブレポート

渋谷のライブハウスSpotify O-Crestの店長「室清登」氏が主催のMURO FESTIVAL(通称:ムロフェス)が7月22日(土)・23日(日)に神奈川県・横浜市にある赤レンガ倉庫の特設会場にて開催された。2012年から毎年7月に開催されているライブイベントで、今年は4年ぶりの野外開催となった。2日間とも晴天に恵まれ、最高のロケーションの中、音楽を満喫することができた。今回のムロフェスで私が最も楽しみにしていたバンドThe Cheserasera(ザ ケセラセラ)のステージについて書き記しておきたい。

DAY2 7/23 10:25- ムロ海エリア RIGHT STAGE The Cheserasera

2日目ムロ海エリアRIGHT STAGEのトップバッターは、1年半の活動休止期間を終えてライブステージに帰ってきたThe Cheserasera。燦燦と輝く太陽のもと、彼らとの再会を待ち望んでいた大勢のファンが駆け付けた。

彼らのSEとしておなじみのドリス・デイ「ケ・セラ・セラ」が流れ、美代一貴(dr)、西田裕作(Ba)、宍戸翼(Gt,Vo)の順に3人が登場すると、その懐かしさと、ついに念願のライブが始まるという実感からか、すでに涙を拭う観客の姿もあった。宍戸は先日のワンマンライブに引き続き、Gretsch(グレッチ)のギターを持ってきた。一体どの曲から再スタートを切るのか、緊張感のある空気を切り裂いたのは「月と太陽の日々」だ。イントロの演奏が始まった瞬間に大きな歓声で包まれ、サビ前の”いこうぜー!”という宍戸の掛け声に応じるように、勢いよく上がる拳の一体感は休止のブランクを感じさせない。”ギターソロ俺!”で激しくかき鳴らされる宍戸のギター、センターで演奏し、観客を踊らせる西田のベース、沸き立つような高速アレンジの美代のドラム、1曲目から3人の音が重なる瞬間に興奮させられる最高の幕開けとなった。

しかし、2曲目の「最後の恋」が始まった瞬間、ハプニングが起こった。なんと宍戸のギターストラップが千切れてしまったのだ。マイクを下げてしゃがんだ状態で演奏していると、ステージ上にバンドマン仲間であるPOETASTERの高橋大樹とKAKASHIの堀越颯太がやってきて、なんとかストラップを直そうとガムテープでペタペタと補強していた。その様子が、なんだか微笑ましいやら面白いやらで、会場は笑いに包まれた。だが、音楽をやっている者同士が支え合う友情が感じられる素敵な場面でもあった。曲の終わりに宍戸が”ストラップ切れたの初めて”と言っていたように、とても珍しいことだと思うが、このライブをより忘れられないものにするための、神様のいたずらだったのかも知れない。

直前に隣のステージでライブをしていたINKEYMAPのJunからストラップを借り、万全の状態になったところで、”知ってる人は歌ってほしい”と宍戸が観客に呼び掛け「幻」が始まった。<息が止まるまで続けよう/僕はあなたの味方/毎日は過ぎるまぼろし/他愛のないお話>(作詞:宍戸翼)というサビのシンガロングが、目の前の海と頭上の青空へ響き渡っていく気持ちよさは言葉にできない。改めて、このムロフェスという場所で、The Chaseraseraと再会できた贅沢を噛みしめ、喜びにあふれた瞬間だった。

続く4曲目は、”バンドマンはみんなにとってヒーローですか?でもなんかやめちゃうやつ多いじゃん。やめちゃったやつが戻ってきたくなる曲を作りました。聴いてください「君がギターを弾かないなんて」”という宍戸の前置きから新曲が披露された。速いテンポに刻むようなギターやベースのアレンジで疾走感のある曲調に、<がんばれマイヒーロー>というまっすぐな詞、純粋に元気がもらえる曲だなと思った。きっと、活動休止中に多くの人からもらった声援に支えられた感謝の気持ちと、次は自分たちが声援を送る側にまわろうという想いが込められているのだろう。新曲ながらもAメロで観客のクラップが自然発生し、すでに名曲のオーラを放っていた。

”活休しても別に元気でしょ。だからWOMCADOLE(9月末から活動休止)も安心して休んでほしいと思ってる。”宍戸が、本日このステージのトリを務めるWOMCADOLEへのエールを口にした。”自分の好きにしていて良いんだって、そうやって元気を与えられたらいい”世の中に合わせることなく、自分自身に嘘をつかないで音楽をやっているバンドだからこそ伝えることのできる、説得力のあるメッセージだ。

ラストは”クソみたいな恋愛したことありますか?”の問いから始まる「I Hate Love Song」を、全身全霊で披露。曲中の<笑わせんなよ!>のセリフを観客が大声で叫ぶのは、コロナもあって久々だからか、より一層爽快だった。25分間のステージは、あっという間に終了した。

8月20日からの東名阪ワンマンツアー、そして9月9日くさのねフェス、9月15日WOMCADOLEとの2マンライブなど復帰後に彼らのライブを観られる予定がちゃんとある。しかも、「I Hate Love Song」のアウトロで言っていたが、年内に音源もリリースする予定らしい。活動休止をしても、こんなに元気に、こんなにかっこいいライブで、新曲まで持って帰ってきたThe Cheseraseraは、きっとこれから、ライブハウスの希望の光になると信じている。おかえりなさい、マイヒーロー。これからもよろしくお願いします。

2023.07.23 「MURO FESTIVAL」 The Cheserasera セットリスト
01.月と太陽の日々
02.最後の恋
03.幻
04.君がギターを弾かないなんて(新曲)
05.I Hate Love Song


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