UVERworldクリスマス武道館公演

UVERworld 2023クリスマス武道館ライブレポート|心とココロが近づいた日

5か月ぶりのUVERworldのライブ。久しぶりにこんなに期間が空いてしまった。
決して嫌いになっていたわけではない。
ただ、少しだけ距離をとっていたのは事実だ。(理由はあるがここでは省略する。)

だが、12月25日の武道館公演をもってようやく戻ってくることができた。
「心とココロ」が近づいた、そう感じられるライブだった。

UVERworld 2023クリスマス武道館 夜公演ライブレポート

毎年クリスマスの恒例となっているUVERworldの武道館公演。今年で14年目になる。
平日にも関わらず、この日は昼夜ともにソールドアウト。私と同じように、クリスマスはUVERworldのライブに行くことを恒例行事にしているファンも多いのだろう。

本稿では、夜公演の様子をレポートする。

開演10分前になると、ステージに誠果(Sax)が登場して「DJ誠果」を披露。クリスマスの名曲をサンプリングしたものに、誠果が生のSaxを乗せる。
観客は立ち上がって手拍子や歓声で応え、ライブ本編が始まる前から場内は盛り上がりを見せる。

開演10秒前になるとカウントダウンが始まり、ライブ本編がスタート。
一曲目“7th Trigger”のイントロが流れると会場内からは大歓声が上がり、Vo.TAKUYA∞が華麗な跳躍を見せながらステージに登場。「ぶっ飛ばしていこうぜー!」の叫びとともに夜公演が幕を開けた。

「のっけからクライマックスのように!」というTAKUYA∞の宣言を受け、続く“VICTOSPIN”では観客がコーラスで大声を張り上げて空気を震わせる。
5曲目には最大級の盛り上がりが約束されている“IMPACT”を投下。観客全員のバウンスで武道館を揺らす。
これまでライブの終盤で演奏されていた“IMPACT”を、ここ数年でセットリストの序盤に置けるようになった変化は大きい。他に終盤を任せられる曲があるということは、新たにアンセムとなる楽曲を育てられている何よりもの証拠だ。

「今日のライブは一応ENIGMASIS TOUR(※最新アルバムのツアー)なんだけど、毎年クリスマスはプレミアムなものにしていて。今日もみんなを喜ばせる曲をたくさん持ってきたから。絶対何やるか当たんないよ!」
このMCの後に披露されたのは2006年リリースの3rdシングル“just Melody”だ。思わぬサプライズに会場内からは悲鳴のような歓声が上がる。
その後も“Home微熱39℃”や“SHAMROCK”、“energy”など、2000年代にリリースした曲を立て続けに披露。

「ENIGMASIS TOURとは?」と言いたくなるような懐かしい曲ばかりで、ライブ中盤になっても最新アルバム『ENIGMASIS』からは“VICTOSPIN”しか演奏していない。
だがそれもファンを喜ばせたいというUVERworldなりの心配り。そしてどれだけ昔の曲だとしても即座に演奏できる強みを持ち合わせたバンドならではのセットリストだ。

12曲目になって、ようやく『ENIGMASIS』に収録されている“ENCORE AGAIN”を披露。ステージにはBE:FIRSTのSHUNTOも登場し、艶やかな声でTAKUYA∞との掛け合いを披露した。
学生の頃からUVERworldのファンだったと公言しているSHUNTOは、この日のステージをとても楽しんでいる様子だった。UVERworldのメンバーもそんなSHUNTOとステージをともにすることが本当に嬉しいようで、曲が終わってからもSHUNTOをステージからはけさせないくだりがあったほどだ。

MCではメンバー間で他愛もない話を楽屋のような雰囲気で行う場面も。一見くだらないような話の流れでも、瞬時に内容にあったアクションを取れるのも20年以上バンドを続けていて仲がいいからこそ。そんなことを思わぬ場面で感じさせられた。

「ファンの皆と、心と心がもっと近い関係でありたいよな」という言葉とともに始まったのは“心とココロ”だ。本来この曲はラブソングであるが、この日は“心とココロ”を体現した公演だったと思う。
序盤はファンを喜ばせるために懐かしい曲を中心に、中盤からは最新アルバム『ENIGMASIS』の曲をメインに組まれたセットリストで、昔の曲が聴きたい・最新の曲が聴きたい、そのファンの心理をどちらも叶えていた。

〈「愛は深まる一方だ」って言ってやろう もっともっともっと深まっていくだろう〉1という歌詞の通り、キャリアを重ねて多くのファンを抱えてもなお、ファン一人ひとりとの心の距離を縮めようとするのはUVERworldというバンドの魅力の一つだ。

そしてこの日、間違いなくその心とココロの距離は近づいていた。曲を重ねるごとに目に分かるようにメンバーのボルテージが上がっていたし、それに呼応するかのように観客のレスポンスや熱気も膨れ上がっていた。

顕著だったのはライブ終盤だ。21曲目の“One stroke for freedom”で本来終わりだったところ、あまりの気持ちよさに「帰りたくねぇー!」とTAKUYA∞が叫び、急遽セルフアンコールを行うことに。
客席からはリクエストとしてさまざまな曲名が叫ばれるが、アッパーな曲に対しては「その気分じゃねぇんだよ」と一蹴するTAKUYA∞。
アンコールとして追加されたのは“THE OVER”と“0 choir”で、どちらも歌詞を大切に歌い上げる曲だ。
セルフアンコールにこの2曲を持ってきたのも、ファンとの心の距離を大切にしたいと感じたゆえの選曲だったのではないだろうか。

最後の2曲も心を込めるように演奏し歌い上げたUVERworldは、合計23曲をやり終えてステージを後にした。

この日のライブで、私は久々に心が満たされるのを感じた。
UVERworldがファンに寄り添おうとする姿勢も、そして変わらず全力で最高のパフォーマンスをする姿も、そんな彼らを改めて誇りに思い、自分の憧れの存在であることを再確認した。
周りからどう思われようとも、心とココロが近い関係でありたい、だからこそ彼らの芯の部分をしっかり見ていきたい。そう感じた一夜だった。

2023.12.25 UVERworld PREMIUM LIVE on Xmas 2023 at日本武道館 夜公演セットリスト
SE ENIGMASIS
01.7th Trigger
02. VICTOSPIN
03.奏全域
04. Collide
05. IMPACT
06. just Melody
07. Home微熱39°C
08.一滴の影響
09. ハルジオン
10. SHAMROCK
11. energy
12. ENCORE AGAIN
13.心とココロ
14. Teenage Love
15. ANOMALY奏者
16. THEORY
17.ビタースウィート
18. echoOZ
19. Touch off
20. EN
21. One stroke for freedom
22. THE OVER
23. 0 choir

1UVERworld “心とココロ”(作詞:TAKUYA∞)より歌詞を引用。

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