UVERworld「ビバラロック2024」ライブレポート|一曲一曲に想いが込められたセットリスト
5月3日のVIVA LA ROCKでVIVA! STAGEのトリを務めたUVERworld。
ワンマンさながらのパフォーマンスと熱量で、観客を巻き込む姿が印象的なステージだった。
UVERworld ビバラロック ライブレポート
真太郎の華麗なドラムソロが始まり、ステージ後方からTAKUYA∞が走り込んで中央で軽やかな跳躍を見せる。「今日が人生最後かのようなライブを!」TAKUYA∞がそう叫んで1曲目に投下されたのは“Don’t Think.Feel”だ。
〈好きなようにやれ そして俺に指図をするな〉1
フェスだろうと関係ない、この空間を俺たちのモノにする。そんな宣言ともとれるこの曲でUVERworldのライブが幕を開けた。それに応じるようにオーディエンスが拳を突き上げ、「オイ!オイ!」とコールして空気を震わせる。
勢いを落とさずに2曲目“Touch off”に突入すると、さらにオーディエンスのレスポンスを煽り、会場内の温度がぐんと上がるのを肌で感じた。
しかし、空気がガラッと変わったのは3曲目“IMPACT”だ。
TAKUYA∞はステージを降りて目の前の客席に飛び込んで1番を歌い終えると、STAR STAGE側のブロックの端まで走り、ここでも柵を登ってオーディエンスに身を預けて歌い出した。当然、STAR STAGE側には次のアーティストを目当てに待機している人がほとんどなわけだが、このTAKUYA∞の行動によってSTAR STAGE側のオーディエンスにも火が付き、会場全体が一つになって大きく揺れる様子は圧巻だった。
人々の心を掴んだ中で披露された“ENCORE AGAIN”では、この日同じVIVA! STAGEでパフォーマンスをしたBE:FIRSTのSHUNTOをステージに呼び込む。しっとりと、けれども力強い歌声で会場をわかした後、TAKUYA∞はSHUNTOを呼び止め、「次、SHUNTOが好きな曲やるから聴いて行けよ!」と投げかける。
そう言って披露されたのは“在るべき形”だ。この曲は、SHUNTOが自身の母親が亡くなった際に聴いて励まされた曲として挙げている。大切な人と離れることも、自身の夢が打ち砕かれることもある。けれど、自分の未来に絶望する必要はない。そんなメッセージを込めて彰が奏でるギターソロは明るい未来に向かって背中を押してくれるようで、何度聴いても心に沁み入る。
そしてライブの後半、TAKUYA∞はMCで4年前のことを振り返る。「もし、またあのパンデミックみたいなことが起きたらどうするか。自分の国の政治に関心を持たなければいけない。それを踏まえた上で俺は、俺にしか期待していない」と力強く語る。誰かに期待するのではなく、自分自身が強くなって大切な人や場所を守らなければならないのだ、と。そうバンドとしての価値観を示した中で歌われた曲は“EN”だ。
コロナ禍全盛期でのライブで、「いつか一緒にこの曲を歌おうな」とTAKUYA∞が呼びかけていた“EN”。それを今はメンバーとオーディエンスが一緒になって歌うことができている。あの日々を乗り越えたからこそ今はまた強くならなければいけない時なのだと、この曲に新たな意味が加わり、それぞれが自身の心に誓うかのように手を挙げて歌う。
「こんな終わり方も俺ららしいよな」と言って最後に披露されたのは、3月にリリースした新曲“Eye’s Sentry”だ。フェスで最後の曲とするならば、もっと大いに盛り上がる曲で締めるのがセオリーなのかもしれない。けれども伝えたいメッセージを優先するのがUVERworld。一曲一曲に力強い想いを込めた約50分間のUVERworldのステージは幕を閉じた。
ライブ終了後、筆者の近くには「すごかったね」と顔を見合わせている人たちが居た。知らなかった音、世界に出会える。これがフェスの醍醐味だろう。UVERworldの音が拡がっていく瞬間を目の当たりにした、そんなライブだった。
1.Don’t Think.Feel
2.Touch off
3.IMPACT
4.PRAYING RUN
5.ENCORE AGAIN(feat.SHUNTO from BE:FIRST)
6.在るべき形
7.EN
8.THEORY
9.Eye’s Sentry
1UVERworld “Don’t Think.Feel”(作詞:TAKUYA∞)より歌詞を引用。
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