BLOODAXE FESTIVAL END

END「BLOODAXE FESTIVAL SPRING 2023」ライブレポート

ハードコアバンドのお祭、「BLOODAXE FESTIVAL SPRING 2023」が5月27日に川崎クラブチッタで開催された。
私がこの日最も楽しみにしていて、その期待を裏切らなかったバンドがENDだ。

END @BLOODAXE FESTIVAL SPRING 2023

ENDは2017年に結成された、アメリカ・ニュージャージー州のハードコアバンドである。COUNTERPARTSのボーカル・ブレンダンがフロントマンを務めていることで結成当初から話題になった。私も当時SNSでその情報を知り、MVを観て心を掴まれた一人だ。

今回ENDは、COUNTERPARTSとともに来日。ENDとしては初の来日公演になる。次日本で観れることはないかもしれない…そんな気持ちも相まって、私の期待は大いに膨らんでいた。同じように、ENDの物販前には多くの人が集まり、ライブが始まる前から観客の期待値が高いのは明らかだった。

ライブは”Fear for Me Now”からスタート。洪水のような音が一気になだれ込む。フロアではそれまでの日本勢のバンドと比べて一段と大きいモッシュピットが発生。二曲目”Pariah”ではステージダイブも活発になり、文字通り音も景色もカオティックな世界が拡がる。

三曲目は1st EP『From the Unforgiving Arms of God』から“Love Let Me Die”を披露。冒頭から爆発的な勢いのある曲で、フロアはより人々の拳が混ざり合う空間に。やはり1st EPの曲となると、会場の盛り上がりが一段と跳ねあがったように思う。この日は1st EP『From the Unforgiving Arms of God』と1stアルバム『Splinters from an Ever-Changing Face』の曲を半々ぐらいの割合で披露していた。

ボーカル・ブレンダンのシャウトは音源よりも少し軽めな印象を受けたが、今回の来日ツアーではCOUNTERPARTSとENDの2バンドを同日に、短時間の内にこなしている。この川崎公演の前にすでに大阪、名古屋と2公演(COUNTERPARTSも含めると4公演)を連日行っているわけで、それでも疲労を見せない技量は流石だと思った。

ENDのライブはCOUNTERPARTSのようなメロディラインはなく、ひたすらダークでブルータルだ。だが、めちゃくちゃに音を鳴らして叫んでいるわけではなく、ブレイクダウンではしっかり落として緩急がある。その適度なメリハリと、焦らされたのちに爆発するような構成がなんともクセになる。

ライブは代表曲”Necessary Death”で締められた。この曲でENDに魅了された私にとってはまさに歓喜の一言。観客が一斉に拳を挙げ「Necessary Death!!」と叫ぶ様は非常に気持ちがよかった。

期待を裏切らなかったENDの混沌としたライブ。また日本でそんなライブが観れることを願って、これからもサポートし続けようと思う。


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